2018年8月13日月曜日

雄鶏が雌鶏に優しくなくなった?

雄鶏の役目



現在9羽いるうちの1羽が雄鶏で他8羽は雌鶏です。
私たちはこの1羽の雄鶏のことをジャスティンと呼んでいます。


最近そのジャスティンが雌鶏に優しくない・・・妻がそう言いました。



雌鶏たちが水を飲んでいる間
周囲を見張っている雄鶏のジャスティン

何を見てそう言ったのか。
その前に少し雄鶏の役目を説明します。




実はジャスティンには、早朝鳴いたり交尾したりする以外に、雄鶏として課せられた(?)やらなくてはいけないことがあります。


  • 雌鶏たちが餌や水を食べている間の周囲の警備
  • 雌鶏たちが喧嘩をした時に仲裁に入り争いをやめさせる
  • 群れに一定距離以上近づいてくる外敵を撃退する
  • 餌を発見した時に雌鶏たちに餌があることをその独特の鳴き声で伝え餌を分け与える

※これらの生態はどれも非常に興味深いのですが、残念ながら写真や動画は撮れていません。Youtubeで探して見たのですが見つけられませんでしたm(._.)m これら映像などでお持ちの方はぜひシェアをお願いします!


まだ他にもあるかもしれませんが、今思いつくところはこんなところです。


特に外敵から群れを守るは見ていて鬼気迫るものがあります。
ニワトリを飼っている方ならお分かりかと思いますが、例えば、私たち人間のようにニワトリの何倍も大きな相手にも飛び掛かかり立ち向かってきます。


そこに駆け引きはなく雄鶏からすると命がけの行動でしょう。餌は雌鶏たちに分け与え、外敵がきたら自分の身を挺して守る。人間の自分から見ても、立派なものだと思います。



餌を食べずに警備にあたるジャスティン


これが雄鶏のあるべき姿とすれば、最近のジャスティンはその役目を放棄し、雄鶏としての振る舞いから外れています。


最近のジャスティンはこうです。

・餌や水は雌鶏を押しのけて自分が最初に口にする
・餌のシェアはしないどころか雌鶏が食べている最中にクチバシで雌鶏を追いはらい餌を自分のものとする
・私たちが雌鶏に近づいたりしても何もしない


これはもう雄鶏ではなく雌鶏です。
ただし、朝鳴くのと交尾だけはちゃんとしています。



ジャスティンの生い立ち



少しジャスティンの生い立ちに触れてみます。

2年ほど前の話になりますが、ジャスティンが群れの中で唯一の雄鶏となる前、実はもう一羽の雄鶏がいました。


その雄鶏がジャスティンの前の群れのボスであったわけですが、その粗暴ぶりから、どこぞの国のリーダーに因んで私たちはドナルドと呼んでいました。


ひよこから成長する段階で、ジャスティンはドナルドとの権力争いに負けてしまったのです。最初は決闘のような形でお互い蹴飛ばしあっていたのですが、程なくしてジャスティンはドナルドが近くに来ると自分から距離をとって逃げるようになりました。序列が決まった瞬間です。


寝る場所にも序列が現れます。ニワトリたちが寝る止まり木の一番高い(=安全とされる)ところにはいつもドナルドが寝ていて、ジャスティンはドナルドから見て4段下の位置、つまり一番下(=危険)で寝ていました。

下の写真はニワトリたちが夜になったら寝る時に使う止まり木です。梯子のようになっている一番奥が一番高い場所ですドナルドが寝ていたところです。

ジャスティンはいつも鶏舎に入るのが最後なので、他のニワトリたちが既に寝床に突いているためスペースが残されておらず、いつも一番下で寝ていました。


止まり木



そして、ドナルドがいる間はいつもジャスティンは離れた距離を保ち、隅の方で餌を食べ生き続けてきたわけです。


餌を群れの中心で食べるドナルド(上)
中心から外れたところで食べるジャスティン(下)

また、別の一面では雄鶏には用のないはずの卵を産むための巣箱に入っていたことが何度かありました。



ジャスティンが入っていたことがある巣箱
写真は雌鶏たち



鳴き声も雌鶏が卵を産んだ後に鳴くような声で鳴いているところもあり、ちょっと雄鶏とも雌鶏ともはっきりしないニュートラルな気質のニワトリなのかもしれません。




群れの中で唯一の雄鶏に



ジャスティンに転機が訪れます。
ドナルドがいなくなったのです。
※その時の模様は英文ですがこちらに書いてあります。


突然のことでした。
ジャスティンはどうするのでしょうか。

私たちもどうなるか興味があり観察していました。


ドナルドがいなくなったことで、餌の時間は他の雌鶏たちと一緒に鶏舎の中で食べらるようになりました。


餌をあげる私たちにさえも以前とは違って攻撃的になりました。また、雌鶏たちにも餌のありかを教え、面倒を見るようになりました。そして雌鶏の真似をして巣箱に入ることも無くなりまし


ドナルドの後を継ぐボスとなったかに見えました。



ジャスティンはジャスティン



人でもそうですが、そうそう簡単に変われるわけがありません。ニワトリのジャスティンもやはり雄鶏に成りきれていないようです。


我が道を行くジャスティン


冒頭で書いたように、餌の時間に我先にと雌鶏を押しのけてご飯にありつく姿が目立ってきました。時々雌鶏を突いて追っ払ったりもしています。


ただいつもそうではないのがジャスティンのすごいところ。


大抵の時は雌鶏と同じように振る舞い、時々気が向いたら雄鶏のようになってみるジャスティン。


もしかするとジャスティンは、周囲の環境に応じて振る舞うことができる賢いニワトリなのかもしれません。






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