ソーラーシェアリングって何?



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ソーラーシェアリングって何?


一つの土地を太陽光発電+農業という2つの目的で活用するシステムをソーラーシェアリングといいます。ソーラーシェアリングでは太陽光パネルの下で野菜など作物を作るのが一般的ですが、私たちは野菜ではなく、ニワトリの放し飼いをすることにしました。

1階ではニワトリが暮らし、たまごを産んでいます。ここを「とりの遊び場」と呼んでいます。
2階では太陽光パネルが発電しています。ここを「おお発電所」と呼んでいます。


毎日元気に走り回っているニワトリ達を見ていて楽しいです。楽しそうにしているニワトリからたまごをいただいて、食べるのもまた楽しいです。ぜひ一度見に来てください。

ソーラーシェアリングとは食物生産を妨げないクリーンなエネルギーを作る新しい方法です。

ソーラーシェアリング おお発電所

仕組について


ソーラーシェアリングでは、太陽光パネルを地上から約3メートルの高さに設置します。
太陽光パネルの列は一定の間隔をあけて配置されているため、太陽の光の3分の1が太陽光パネルにあたり、残りの3分2は地面に届くようになっています。このため、同一の敷地内で太陽光発電と同時に、農業など他の目的(養鶏、バーベキュー等)に利用することができます。
バーベキュー おお発電所

ソーラーシェアリングは、もともと植物は太陽からくる光の全てを受容する必要はないという事実がその考えの出発点にあります。一方で、植物は光合成のために太陽光は不可欠ですが、ただそれもある一定量までです。この飽和点を超えるともうそれ以上は光合成は行われません。それどころか植物から水分を奪い結果、害になることさえあります。ソーラーシェアリングは、過度な太陽からの光を使って太陽光パネルで発電を行い、同時に、その下で穀物などが必要十分な光を得て耕作が可能となるのです。

ソーラーシェアリングは2003年に長島彬氏によって考案されました。今日では日本各地でソーラーシェアリングの太陽光発電が展開されています。私たちのおお発電所もその一つというわけです。

私たちはこのソーラーシェアリングの仕組みの下で放し飼いの養鶏をすることにしました。
とりの遊び場 おお発電所



発電所概要


名称:  おお発電所
設備容量:  38.5 kW (パワコンディショナーの容量)/ 40.71kW( 太陽光パネルの容量)
太陽光パネル枚数: 354 枚  x  115W
太陽光パネル故障率: 17.5%  (2021年)
敷地面積: 1000㎡
太陽光パネルの地上からの高さ: 3m
遮光率: 33 %
運転開始日: 2014年11月27日

空撮 おお発電所 2015年1月
おお発電所 2015年5月

2分でわかるソーラーシェアリングの施工:

可動式太陽光パネルの使い方:


結局どのくらいのエネルギーが作られるの?


エネルギーがどれくらい作られるかについて、1年でどれくら発電されるがもっとも良い指標になります。(年間可能発電電力量)

年間可能発電電力量は以下の式で求められます。

年間可能発電電力量 =  設備容量   x 設備利用率  x  365日   x  24時間

設備容量は、パネルの仕様に基づいた事実上の容量を指します。例えば、私たちの発電所で使用している1枚のパネルの仕様上の容量は115ワットです。発電所にはこのパネルが354枚設置されているため、この設備容量は 115  x  354 = 40710Wとなります。

つづいて設備利用率です。これはある時間の中で仕様上の最大出力に対して実際の出力の割合のことです。もし家の屋根に10枚のソーラーパネルが、太陽の出ている日の6時間だけ発電したとすると、設備利用率は 6  ÷  24時間 x 100 = 25%となります。

この設備利用率は、エネルギーのタイプによって異なります。
一般的に原子力発電や地熱発電は70から90%と高く安定している一方で再生可能エネルギーと言われている太陽光、風力、水力などは自然環境の要因によるところが大きいため、設備利用率は低い傾向にあります。


下のグラフは、仮に日本の農地の全体の20%がソーラーシェアリングを導入すると、
年間に4億7490万 MWhもの電力を作ることができ、これは実に日本全体の電力需要の約57%になります。半分以上の電力をゴミを出すことなく、また食物生産を抑制することなくカバーできるのです。それはかなりのポテンシャルだと思いませんか?

作成者: Slavka Batorova

Graph data sources:
*1  2014 Electricity Demand:
Source: The Federation of Electric Power Companies of Japan(FEPC)

*2 a  Cultivated acreage (data used to calculate solar sharing output):
Source Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries (MAFF), Japan

*2 b  In calculating the solar sharing potential, you need to know how much is the "installed capacity" (megawatts) per given area (1 hectare) at a given shading rate (25 % shading rate means that the size of panels is about quarter the size of the land below them.).  Solar sharing installed at about 25 % shading rate has installed capacity of 0.4 MW per 1 ha of land area. In other words, a solar sharing power plant of 40 kilowatts could be installed over a land of 1000m2 at a shading rate of about 25 %. So I used the factor of 0. 4 in calculating the  "Solar sharing on 20% of cultivated land" (green bar in graph). Actual shading rate in each solar sharing power plant is different. In power plant Oo, it's 33.7 %. Needless to say, at higher shading rate, installed capacity per given area will be higher.

*3  Solar power output and wind power output under feed-in tariff (FIT) scheme
Source: FIT scheme website

*4  Nuclear power – capacity and utilization rate (used to calculate hypothetical output) (All Japan’s nuclear reactors were shutdown at the time of writing this article)
Source: Japan Atomic Industrial Forum

Calculation of hypothetical output is based on the capacity of 43 reactors classified “in operation” [operation suspended] as of July 15, 2015. Calculation takes into account a pre-Fukushima utilization rate of 70 % (February 2011). Current (July 2015) utilization rate of Japan’s nuclear power is 0 %.

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