鉋などの刃物を研ぐ時に使う砥石(といし)の話です。
刃物が切れなくなってきたら刃を研ぐという作業が必要になります。その時に砥石と呼ばれる石を使って刃物を研いでいきます。
詳しくは書きませんが、刃物の状態に応じて研ぐため、表面が荒い砥石からきめの細かい砥石を使い分けて刃物を研いで行き、最終的に刃物を切れるようにするわけです。
天然砥石や人工砥石など様々な砥石があります
鉋などの刃物を研ぐ時に、もちろん砥石の荒さや種類は重要なのですが、それ以外に砥石の表面を真っ平らにすることが肝になってきます。
砥石の表面が真っ平らになっていないと、刃の先が丸くなったりまたは凹んだりした形で研ぎ上がってしまうのです。
鉋などの硬い刃が丸くなることや凹むことは想像しづらいかもしれませんが、実際研いで見ると本当に刃先は曲線になります。
研いだ後の真っ直ぐな刃先 |
刃の先が真っ直ぐでないと何が問題かといえば、例えば鉋で木を加工した場合に、当然木の表面が真っ平らにならないという問題が起きます。
刃先が凹んでいる時は木の表面は柔らかな凸面上になり、逆に刃の先が凸面の時は木は凹んでしまいます。
ということで、木を真っ平らに加工するためには、その刃の先を真っ直ぐに研ぐことが必須となり、刃の先を真っ直ぐ研ぐには真っ平らになった砥石の表面を作る必要がどうしてもあるのです。
この真っ平らにするということはシンプルなようで実は結構大変な作業なんです。
この真っ平らな砥石の表面を作る方法は幾つかやり方がありますが、自分の場合はダイヤモンド砥石を利用します。
ダイヤモンド砥石とは、簡単にいうとダイヤモンドの粒を表面にちりばめてある金属の板のことです。
平面にするためダイヤモンド砥石を使って 砥石の表面を平らにする作業 |
大抵の砥石はこれで研いでいけばきっちりとした平面を作ることができます。
ただ、ここで重要になってくるのが、このダイヤモンド砥石の表面って本当に真っ平らなのかということ。
なぜならダイヤモンドの平面精度の差がそのまま砥石に移り、最後には加工する木にまで影響が出てしまうからです。
特殊な定規を使ってダイヤモンド砥石の 平面精度を光の漏れで確認 真ん中が凹んでいる |
だいたいのダイヤモンド砥石を試してきましたが、アメリカのDMTというところダイヤモンド砥石が、少し高価ですが平面性が高く、また10インチ長という大きさも使い勝手をよくしてくれることが分かったため、今はこのDMTを愛用しています。
左から DMT、ツボ万、エビ、SK11 |
ツイート