今では当たり前になっている、発電状況をWebから確認できるもので、今回はそのサービスを見直すことになりそうという話です。
以下の画像は現在検討中のソーラーレモンさんのWeb画面です。
検討中のソーラーレモンさんの デモ機Web画面 |
その前に、なぜ監視が必要なのかですが、目的は大きく分けて2つあります。
- 発電量のチェック
- 異常の発見
発電状況のチェック
発電状況を知ることは重要です。
回転システムを導入した当時、太陽光パネルの角度を変更すると発電量が改善したことに驚き面白くなって、毎日角度を変えて発電量が上がるのを見ては楽しんでおりました。
現行のソーラーモニタリングでは、パネルを可動させながらどのくらい発電量が変化したかを見るときに使っています。
適宜最適な角度に調整
パネルを動かした後はリアルタイムで発電状況の確認ができます。瞬間ですが発電出力は37.4kWと表示されています。
異常の発見
もう一つの目的は故障の発見です。
故障を放置すると発電ロスになってしまうから故障から復旧までの時間を極力短くしなくてはいけません。
(故障しないのが一番ですが・・)
ソーラーモニタリングでは、毎朝前日の発電量のレポートが送られてきます。レポートには県の気象状況とともに時系列で発電量がグラフ表示されています。
今年で同監視サービスを使い続けて4年目になりますが、天気と気温、風でだいたい今日はこのくらい発電するかなみたいなことがわかってきます。(人の感覚値ではありますが)
ある時監視サービスから送られてくるレポートを見て、”なんとなく”発電量が少ない気がしました。
最初は気のせいかな、とも思っていましたが、好条件(快晴、低温、風有)と思われる日なのに発電量が思わしくなかったことが何度か続いたため、施工業者に調査してもらった所、太陽光パネルが36枚故障していたことがわかりました。全体数は354枚ですので約1割発電量が低下していたわけです。
このように”正常な状態”がある程度把握していたおかげで異常な状態に気づくことができたのです。
(ただこれはたまたま自分たちが気づいたから異常が発見できただけの話で、このような人の感覚に頼るのは監視とは言えません)
ソーラーモニタリングの問題点
パワコンごとの監視ができない
※パワコンについての説明はこちら
これは接続図を描くとわかりやすいです。
発電された電気は各7台あるパワコンからのケーブルが集電箱に行き、そこから1本道でブレーカーに入り送電網へと流れます。
送電網
|
ブレーカー
|__監視ポイント
|
パワコン#1_____|_____
|
パワコン#3_____|_____パワコン#4
パワコン#3_____|_____パワコン#4
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パワコン#5_____|_____パワコン#6
パワコン#5_____|_____パワコン#6
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パワコン#7_____|
パワコン#7_____|
|
例えば、パワコン#2 が故障していた場合でも他のパワコンが電気を流しているため、監視ポイントから見たときには”発電している"体になります。そうなるとなかなか発電量から気づくことが難しくなり、故障した場合の発見も遅れてしまうことになります。
料金が高い
毎月3000円。20年間でみると70万円超えます。
現行の監視サービスに不満があったのでメーカーサイトで調べてみると、月額でさらにプラス500円上乗せするとパワコンごとの監視システムを利用できるということでした。
キャリアがIoT用途で月額10円の通信料でやろうってご時世に、毎月3000円以上は少し費用をかけすぎていると感じています。
温度データがない
発電量以外のデータは取れないサービスです。
温度データは必須ではないですが、太陽光パネルは気温が上がると発電量が低下することが知られているので、温度データもあればより良いです。
ソーラーレモンさんの監視サービス
障害通知ができるサービスはないかと調べていたところ、ソーラーレモンさんのサイトにたどり着きました。
太陽光発電の監視はパワコンの出力低下をみれば良い、という製品の思想に共感し、デモ機を使ってみようと思いました。
また、前述した現行監視サービスであげた問題を全てクリアしてくれるサービス内容にもなっていました。
詳しいソーラーレモンさんの製品情報については本家のサイトでご覧いただくが良いかと思います。こちらからどうぞ。
先日ゴールデンウィークの真っ只中、デモ機設置をしてくれました。
データ採取に必要な構成機器はとてもシンプルなものでした。
監視対象となるパワコンの系統にクランプを設置し、4GLTEデータ送信端末にバッテリーを繋ぐというものでした。
集電箱の中に設置したクランプ(青) x 2 |
データを送信端末とバッテリー |
太陽光発電により電気をバッテリーへ給電 |
パワコン異常の検知
パワコンごとの出力グラフとなっているので、出力が低下しているパワコンがあれば異常と見て取れます。
また、予め設定しておけば、ある一定以上の出力値の差がパワコン間で生じた場合はアラートメールが配信されるということです。
監視するポイントが違いますが、本当に運用に必要なものとは何かについて気づかされました。
その時々の発電量を知ったところで、そこにあまり意味はないと。
ソーラーレモン(左) ソーラーモニタリング(右) |
ただ出力されているデータがパワコンの電流値であることから、発電量をチェックするという点においては唯一現行サービスが優位なところでした。
監視サービスを移行するかはもう少し検討してみようと考えています。
余談ですが、ソーラーレモンの担当の方はデモ機設置の際に、集電箱のダクト接続部のヒビ割れに気づき修復までしてくださいました。ありがとうございました。
(ちなみにこの修復箇所はここで紹介しましたように昨年8月に修復されていた箇所でした。)
また亀裂が入っていた |
修復されました |
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